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H3.板情報と指値注文・逆指値注文について


FXの板情報について

株のように取引所がある金融商品を取引した事がある人は分かると思いますが、 FXでは基本的に見ることが出来ないので知らない人がいるかもしれません。
板情報とは「どの価格にどのくらいの注文があるのか」が分かるものです。 早い話が指値オーダーを見ることが出来ます。

業者によっては板情報を公開している業者もあります。
板情報

MT4には板情報を見る機能が無い(板注文画面という何の為にあるのか分からない意味不明な機能はありますが)ので、
基本的にはその業者が提供している取引ツールでしか見ることが出来ません。

そしてFXは取引所取引では無く、業者との相対取引ですので、
その板情報はあくまでその業者の板情報なので、インターバンクの板情報だと勘違いしないで下さい。

また業者によって板情報の内容が異なるので注意。

・カバー先の板情報のサマリーを表示
・FX業者のお客のオーダーを表示

だいたい前者は海外業者、後者の国内業者に多いです。

板情報の見方

これはFXの板情報ですが
板情報

これはかなり見難いです。成行で売買できる価格を引き離して表示させた理由が理解出来ません。
FXではこういう並びの板情報が多いのですが、これの方が見易いのでしょうか?

見易い形に変更しましょう。
板情報

左のAskはどれだけの売り指値があるか?これは売り板と呼ばれています。
右のBidはどれだけの買い指値があるか?これは買い板と呼ばれています。


これを見るとその瞬間の流動性がひと目で分かります。

例えば
板情報

これは108.782円に356万通貨の売り指値があります。
つまり108.782円なら売ってあげますよ(または108.782円で買い取って下さい)と言っている人がいます。
今直ぐ成行注文で買いたい場合、今市場の最安値で売り出されている108.782円で買う事になります。

MT4のオーダー発注画面を見れば分かりますが、
板情報

成行注文の左側にBidの106.941円、右側にAskの106.945円が表示されていて、
成行注文はこの価格で執行されますよね?

・Askというのは市場に出されている売り注文の最安値の価格(今直ぐ成行で買える価格)
・Bidというのは市場の出されている買い注文の最高値の価格(今直ぐ成行で売れる価格)

だと思って下さい。

極端な話をすると、OrderSend()の設定ミスで0円で成行買いという誤発注をしても、0円で約定される事はありません。
成行きで買える最安値は108.782円なので108.782円で約定します。
売り手がいなければ買う事が出来ないので一番最安値で売ってくれる人とマッチングします。
ただスリップページが有効な業者ではスリップページで約定拒否になりますが、無限スリップの業者では0円成行買いでもAskの価格で約定します
(成行買いは実際にはAskの価格で買う事なのですが、FXの場合はスリップページの関係で成行買いでも価格を指定する必要があるので0円成行買い(Askの価格で買い、0円からの乖離でスリップページ判定をする)という事が出来てしまいます)。

板情報

このAskとBidの価格差がスプレッドになります。

FXの場合FX業者がマーケットメーカーなので市場というよりは、そのFX業者で売買出来る板と考えて下さい。

スプレッドについて

基本的にスプレッドが開くのは流動性が低下(買い手や売り手が減る)した時になります。
例えば売り板に注文が片っ端から買い上げられた時や、指値注文が引っ込ん(またはFX業者が客の指値以外の板を意図的に引っ込めた場合)で売り板が無くなってしまった時です。


板情報

こんな感じで売り板の注文を片っ端から買い上げられてAskが108.788まで上がったタイミングですね。
スプレッドが狭くなるには、売り板に指値注文が入ってくるか、買い板の指値注文が入ってくるまで待つしかありません。
この時買い板の指値注文が入ってきてBidが切り上がった所でスプレッドが元通りに狭くなると価格が上がります。

板情報を観察する事で、相場価格が何故上がるのか?という相場の根幹が理解できるようになります。
誰かが売り板を買い上げて、その後買い板に買い注文が並んだ時に初めてロングポジションを持っていた人が利益確定出来ます。

あと板情報を観察していると分かりますが、NFP(米国非農業部門雇用者数)等の注目度の高い経済指標発表前になると指値注文がさ~っと引っ込みます。
それからNYクローズ直後も指値注文がさ~っと引っ込みます。
露骨に指値注文が引っ込んで流動性が低下するので、
相場操縦で価格操作をしてストップ狩りを狙うファンド等は流動性が無くなったタイミングで仕掛けるので、日本時間の早朝にセリングクライマックス等が発生する事が多いです。

ちなみに板情報を24時間張り付いて観察していたわけではありません。
DLL・JNA・JDKを使って板情報を外部出力してその統計データを解析しました。


指値キャンセルや狼狽売りが殺到して流動性が極端に低下してしまうと
板情報

「幾らでもいいから誰か買い取って~!」という状況になります。
極端な例ではWTI先物で-37ドルという価格まで下落しました。

板情報

WTIが極端に安いと言う理由で買い込み、結局限月(先物は期日までに必ず決済しなければならない)までに売り抜けられなくて、
買い手が少なくて流動性が極端に低下している状態なのに強制的に手放さなければならなくなって、限月に強制的な売りが殺到して史上初のマイナス価格をつけた事件です。
買い手がいないのに売りが殺到すると気配値だけが暴落する良い例です。

あと先物に底は無いという事を教えてくれた良い勉強材料になりました。
板情報

「売りは青天井、買いは底無し」なので損切りの大切さも教えてくれる良い勉強材料です。
でもこの原油取引で退場してしまった人は、勉強した内容を活かせないんですよね・・・


あとはスイスフランショックも似たようなものです、スイス中銀が「1ユーロ=1.2スイスフランを死守する為に為替介入を継続する」ような発言をしていたので EUR/CHRの1.2付近で大量のスイスフランショートをしていた人達がいました。 スイス中銀のトーマス・ジョーダン総裁が突如
板情報

「やっぱ為替介入止めるわw」と言った為、スイスフランの買い戻しが殺到し、流動性が極端に低下してインターバンクからスイスフランの価格が消えました。
ちなみにスイスフランがブレイクした後は、先月高値から200pips乖離した所までは値がついていました。
そこから先は売り板が殆ど無く、買い注文だけが殺到した為価格が付かない状態になりました。
つまり流動性が枯渇してしまったわけです。

板情報

ようやく値が付いて取引出来る状態になった時にはスイスフランは2倍近くの価格へ暴騰していました。
板情報

CHF/JPYは18:30頃にレート配信が止まって、約一時間後にレート配信された時には3000pips上昇していました。

板情報

18時と19時の間が異様に短いのが分かりますでしょうか?
約1時間ほどレート配信されていない空白の時間があったからです。

スイスフランの先月高値から200pips以内にストップロスを入れていた人は助かりますが、それ以外の人で実効レバレッジ2倍以上のポジションを持っていた人は全員アウトです。
この事件から最悪でも先月高値・安値の200pips以内にストップロスを必ず入れなければならない事が理解出来ます。

これらの事件は社会の教科書に掲載しても良いくらいの内容ですが、日本の義務教育では投資教育はタブー視されているので無理でしょうけど。


それからFXの場合、市場といえばインターバンクの事を指しますが、為替には取引所というものが存在しないので、
この板情報の価格は市場の価格では無く、マーケットメーカーであるFX業者が提示している価格になります。

どういう事かと言うと
固定スプレッド提示している業者はカバー先が実はもっと安い売り注文があったとしても、
固定スプレッドより狭いレートは提示しないのでカバー先よりも高いレートを提示します。
逆にカバー先が実はもっと高い売り注文だったとしても、
固定スプレッド提示を宣言している業者はカバー先よりも安いレートを提示してくれます。

別にこれが悪いとか批難しているわけではありません。
良い方向で考えるとインターバンクのレートよりも有利なレートで取引でき(る場合があり)ます。
インターバンクのレートが消えてもFX業者が注文を引き受けてくれれば注文約定出来ます(カバー先のレートが消えると殆どのFX業者は約定拒否しますが・・・)。

悪い方向で考えるとこのレートはFX業者が幾らでも操作する事が出来ます。
ただマーケットメーカーはFX業者なので、価格を操作する事が絶対に悪いと言っているわけではありません。
たまにネットで炎上するくらい露骨な操作がありますが・・・それが気に入らないのであれば違う業者にすれば良いだけの話です。

よく「lotが小さい時は滑らないのに、lotを大きくすると滑るようになるから詐欺だ!」という人がいますが、
lotが小さかった時はその業者の売り板を食い尽くさなかっただけで、大きなlotにした事でその業者の売り板を食い尽くして自分のオーダーによってスプレッドを拡大させてしまい、
それを「滑った!詐欺だ!」と言っているだけです。
よく考えて下さい、カバー先に板が無い状態でお客からの指値オーダーも無い状態の場合、固定スプレッドを実現するには何が行われるか?
FX業者がお客から引き受ける為の指値オーダーを常に先頭に並ばせる事になります。つまりその売り板を買った場合は、そのリスクをFX業者が引き受けている事になります。
単純に大きなlotの時に滑ってしまうのは、流動性が無い時に固定スプレッドを実現する為の業者の板を自分の注文で食い尽くしてしまっただけです。

固定スプレッド提示はシステム的に行われるので、カバー先のスプレッドが平常通りの時とか条件を付けて固定スプレッドを提供する為にFX業者の指値オーダーを並べる。 固定スプレッド提示が出来れば良いので、当然先頭に並べられたFX業者の板はそれほど厚くありません。
だから100万通貨の1ショットオーダーは嫌われないのに、FX業者の板を突き抜けないように5万通貨ぐらいを20回に分けて連続オーダーするのは嫌われます。
またFX業者が引き受けたオーダーがカバー先にカバー出来るようになる前に決済されてしまう超短期売買のスキャルピングは嫌われます。
勿論負けてくれる分には問題ありませんが、FX業者が損するようなやり方で大勝ちする人は
「サーバーに負荷をかける行為」とか何とか言われて警告を受けます。

FX業者と喧嘩したくないなら、FX業者に迷惑をかけないようにスイングトレードをしましょうw
FX業者が狭い固定スプレッドを提示してくれる為のシステムなので、それがFX業者側にとって仇になるような取引方法は控えましょう。
ちなみに私は昔、変動スプレッドで広いスプレッド(USD/JPYが1.4pipsくらい)のNDD業者で高速取引の自動売買を稼働させていましたが、特に警告は受けませんでした。
その代わりに使っていたNDD業者が全て無くなりましたorz

指値と逆指値について

FXだけをやっている人で、指値と逆指値をちゃんと理解しているはいるでしょうか?
指値はリミット設定で、逆指値はストップロス設定?
それはそれで間違いではありませんが、
新規オーダーで価格を指定した場合、それは指値でしょうか?逆指値でしょか?

正解は・・・状況によって変わります。
何故気にしないでもオーダー出来ているかと言うと、取引ツールが自動的に適切な方法でオーダーしてくれているからです。
だから別に知らなくても特に問題は発生しません。

板情報

売値の最安値のAskよりも高い価格で売りたい場合は指値注文で、指値注文は売り板に並びます。
買値の最高値のBidよりも安い価格で売りたい場合は逆指値注文で、逆指値注文は売り板に並びません。

なぜBidよりも安い価格を指定して売ろうとすると売り板に並べられないのか?
単純に「108.776円で売りますので誰か買って下さい」と言った場合「Bidの108.779円なら買い取りますよ」と言う人がいるので、
108.779円で売買が成立してしまうからです。
これが指値です。
板情報


108.776円より高い価格で売る事が目的なら問題ありませんが、
108.776円以下で安い価格でショートポジションを取りたかった場合、108.779円でショートポジションを取ってしまうのは問題ですよね?
FXの場合、このような買い板に対して直接売り指値をぶつける指値注文は受け付けてくれません。

だからこのような場合は、注文を板に並ばせない逆指値注文を使われます。
逆指値は指定した価格に到達したら成行注文が執行されます。
注意しなければならないのは逆指値は流動性が低下して指値注文が引っ込んでスプレッドが広がった時にも成行注文が執行されてしまうので、
大きく滑って不利な価格で約定してしまう可能性が高いです。

板情報

逆指値は板に並ばない注文なので他の人からは見えません。
逆指値は業者のサービスなので、逆指値注文を受けた業者しか見る事が出来ません (但し、外為どっとコム(外部リンク)のようにお客からの逆指値注文も公開している業者もあります)。
業者が逆指値のサービスを提供していない場合使う事は出来ません、基本的にFX業者は逆指値のサービスを提供しています。
あとFX業者がマーケットメーカーなので、板に並んでいるお客の指値注文とお客の逆指値の注文はFX業者からは全て丸見えです。

指値と逆指値の違いを理解した所で別にどうって事はありません。
指値は滑り難く、逆指値は滑り易い(不利な価格で約定し易い)という事くらいです。
板情報

実際に体感した事ありません?リミット決済は殆ど滑らないのに、ストップ決済は大きく滑る事が多い・・・まさにそれです。

体感した事が無い人はデモ口座を使って、NFP(米国非農業部門雇用者数)の発表前に両建てして30pips乖離した所にリミット決済とストップ決済をおいて下さい。
ストップ決済に引っかかる確率の方が高いので、両建てした両方のポジションが損切りされる確率が高いはずです。
MT4のストラテジーテスターではスプレッドは広がらないので、tickデータを入手してVisualStudioか何かでテスターを自作して検証してみるのも有りです。
単純にTrading Station(外部リンク)でNFP(米国非農業部門雇用者数)発表前後のtickデータをダウンロードしてtickチャートを眺めて検証する方法もあります。

それからEAで新規エントリー時に指値・逆指値を使う人はいないと思いますが、そういう人はこの違いを理解していないとEAを作成出来ません。
エントリーオーダー

注文種別で状況に応じて指値と逆指値を適切に選択する必要があります。


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